年末は、大正時代に建てられた旧い建物に通って、

シーサーズの2大曲を録音してた。
20分以上ある天地創世の神話は、
もう唄えるユタがいない。
私は毎日、その最後のユタの唄のテープを
何回も聞いて出掛けた。
枯れて、しゃがれて、歌詞の記憶が
曖昧になりながら語る様な唄が、
私のバイオリンを通して伝えたいものを思って弾いた。

ちょっと長い、亡くなった烏賊採り漁師が語る唄も録音した。
つまり、それもユタが語った唄なのだけど…。
海の真ん中の一人の時間が淡々と舟を漕ぐ様に、
そして曲は進むけれど…
彼は、どこにも辿り着かず、家族の元に唄だけが届いたのです。

洗って洗って、世界を洗い流してしまえとばかりの
暮れの土砂降りに、洗い立ての静岡に戻って、
餃子研究所の餃子を研究してみた。
男餃子は捨て身なくらいの生姜とニンニクで感激しちゃうよ。

正月は短かかったけど、
沖縄から連れて来た鯛が、いつもテーブルにいて、
バイオリン弾いたり、
美術館で、草間彌生さんやインカのものを見たりの
良い時間のなかで終わった。