熊野に行きたくなって、


紀伊半島を下るのに、あまり時間はかからなかったの。

私の中の龍が、
那智の滝の水をごくごく飲んで喜んだり、
何もないのに、空気のなかが濃い
何かが充ちてる本当の熊野本宮や、
岩を積んだ古い道で
山に入る時の心臓を流れる血の速さを、
霧に煙る山を
川に沿って走らせた車に連れられた温泉の優しさも、
眩しい海の気配が、
身体を透けさしてしまうような、
池に浮かぶ島が、息を詰まらせながらも
ゆるゆると動くのを感じる足の裏や、
夜の那智勝浦の港の舟のエンジンが、
寂しく聴こえたり、
出会う御酒が、
熊野の水を私に流し込むようにあったこと、
ヤタガラスが何処にでも居て、静かに付いて来て、
女子を拒んでいる神倉神社の石段を5段だけ登った。

沢山の感覚の詰まった時間が、
ゆっくり進んで、充ちて足りました。

東京の後、静岡に戻って
散歩の途中で大きなヤヨイちゃんに会った。
柔らかい水玉の妖精で、家に連れて帰りたかった。

いつも応援してくれてる野鳥の会の人と、
自然の話しや田んぼの話しをいっぱいして
松木さんのビストロで美味しいを食べて、
地上を遠くに見下ろして、
夜の支配者になったようにラウンジで飲んだ。

日曜日の昼下がりに、
久し振りのミオストリングスは新しくなってて、
私達自身が踊る様に、歓びがいっぱいに音楽してた。
食の冒険家さんの作る、夢の様な御菓子達を従えて…
DonDokoDonDoko…また逢いましょう!!